配電盤よ、安らかに

85%フィクションと15%の今はもう失われたもの

2012-01-01から1年間の記事一覧

エヴァQの話でもすっかね

観てきましたよ。うーん、求めてたものと違ったんだけど、「この裏切られ感がエヴァだよね!」って思うべきなの?そんなドMになれないなぁ。 僕は結構、前作の破が、構成がしっかりしていてしっかりアクションシーンを見せるエンタメ作品としてできてたこと…

君の願いはちゃんと叶うよ 楽しみにしておくといい

僕もいい年になったので今考えることを少し書いてみる。最近すごく考えていることは、僕は昔よりも「実践」に価値を置くようになったなぁということだ。ここでいう実践って言うのは、「決断」という意味に近い。もっというと、「プライベート的な決断」だ。…

あたりまえ、ってあの夜に、彼は言い、 世界ってなに、あたしが言った

あの雪の日にトーマが陸橋から飛んだ時から、私の愛情というものは定義されてしまった。まだ色つきじゃない既成概念なしの子供だった私は、右手と左手のつながっているような幼い手袋をして、白い息を吐きながら雪虫を目で追って走った。じきに冬が来るだろ…

今までの人生の中の一日だけ、もう一度過ごせるとしたら、どの日を選ぶの?

ごめんね もう二度とあえないような そんな気がして 運命が笑う

今、僕の家が燃えてるんだよ、と1月の寒い日の午後4時半にいきなり電話をかけてきた先輩は楽しそうに言った。私は何かの冗談かと思い、今日は空気が乾燥しているから実によく燃えそうですね、と答えた。先輩は、そうなんだよ、でも信じてないだろうお前、と…

笑いたがる人には、キスを

背筋を伸ばして生きる。 まだこの街に慣れていないから、最寄りのスーパーで醤油を売ってる場所を探すのに手間取る。本当は週末にまとめ買いしておけば効率がいいことは解っているけど、毎日その日に食べたいものを考えて食材を買うというシンプルな贅沢から…

目を閉じる度にあの日の言葉が消えてゆく

あの人のにおいをもう思い出せない、ということに気付いたのは、その年の10月の頭の日曜日に駅に向かって歩いてる時で、そこには金木犀の香りばかりが立ちこめてた。それは、最後にあの人と会ってから実に1年と2ヶ月後のことだった。この1年と2ヶ月は、記憶…

ただひとつ 今も思い出すよ

僕は君が好き、と言っている間だけ、孤独じゃ無くいられる気がする。僕は君が好き、僕は君が好き、そう口にするのが好き。 みんな、なんか、とっても優しいな。こんな僕なんかでも、好きって言ったら結構受け入れて貰える。 そんなこというけど君は誰のこと…

「愛はここに 神はあなたの中に」  そこで途切れてる

じゃあ、乾杯しましょう、と山内さんが言い、何に?と久野さんが言う。そうねえ、インターネットにかしらねえ、と山内さんが答える。それでは、インターネットに乾杯。33歳になって、15歳の頃からの知り合いと久しぶりに会うことへの不安は大きかったけれど…

消えないように傷つけてあげるよ

彼女は、彼が自分にくれているものは、全部気まぐれで、寄ってくる犬に餌をやっている程度の気持ちで、自分などいてもいなくても良いくらいに思われているのは、正確に把握していた。 それでも、その酷い男を、とろけるほど愛している私が悪いのだ、と彼女は…

目眩がするくらいに慎重に歩く

「結婚が決まると、大嫌いになってしまうの」と、湯川さんは途方に暮れたように言った。 隣の原田が、氷の溶けたアイスコーヒーを啜う。沈黙。「その、つまり」彼女は斜め上にある何かを睨みつけるような仕草をして、「あなたが断っているってことなの」と尋…

Merry Christmas,Mr Lawrence

僕だって、こんな風になるなんて、どうしてなのかわからないし、僕が狂っているのか相手が狂っているのか解らないようなことなのだけれど、僕 の存在を、生きる尺度みたいにしてる人が何人かいるのはわかってるから、それに恥じないように生きたいと思う。そ…