2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧
彼女は、彼が自分にくれているものは、全部気まぐれで、寄ってくる犬に餌をやっている程度の気持ちで、自分などいてもいなくても良いくらいに思われているのは、正確に把握していた。 それでも、その酷い男を、とろけるほど愛している私が悪いのだ、と彼女は…
「結婚が決まると、大嫌いになってしまうの」と、湯川さんは途方に暮れたように言った。 隣の原田が、氷の溶けたアイスコーヒーを啜う。沈黙。「その、つまり」彼女は斜め上にある何かを睨みつけるような仕草をして、「あなたが断っているってことなの」と尋…
僕だって、こんな風になるなんて、どうしてなのかわからないし、僕が狂っているのか相手が狂っているのか解らないようなことなのだけれど、僕 の存在を、生きる尺度みたいにしてる人が何人かいるのはわかってるから、それに恥じないように生きたいと思う。そ…